
イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち (角川新書)
澤宮 優
KADOKAWA / 2021-10-08
この本について
練習を積んでいるはずなのに、ある日ふと「なんで今日だけこんなに崩れるんだろう」と戸惑うことってありますよね。仕事でもスポーツでも、繰り返してきた動きが急にぎこちなくなる瞬間があって、原因を探れば探るほど深みに落ちていくようなあの感じ。私自身、頑張るほど迷路に入り込む時期があって、この本を読んだときにようやく「ああ、こういう現象ってあるんだ」と落ち着けました。 『イップス 魔病を乗り越えたアスリートたち』が面白いのは、イップスを単なるメンタルの問題として片付けないところです。同じ動作のやりすぎで脳のプログラム自体が崩れる可能性、選択肢が多い状態ほどミスを誘発する構造、考え込みすぎることで動きが連動しなくなる現象。読んでいると「これ、仕事でも同じだな」と感じる場面が何度も出てきます。練習量を増やすことが正義だと信じていた自分には、休むという選択肢や、あえて“考えない”状況を作る大切さはかなり新鮮でした。 特に刺さったのは、改善の方法は人それぞれで、万人に効く正解はないという姿勢です。だからこそ、自分の状態を「今は横ばい期なんだ」と認識できるだけで、余計な焦りから少し距離を置ける。技術の問題と心の問題が絡み合う複雑さも、そのまま等身大に描かれていて、読んでいて変に気負わされないところがありがたいんですよね。 完璧主義でつい考え込みすぎてしまう人、同じミスをきっかけに自分を責め続けてしまう人には、とても落ち着く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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