
ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」 (日本経済新聞出版)
平井一夫
日経BP / 2021-07-14
この本について
最近、チームを動かさなきゃいけないのに、こちらの意図がまったく伝わらないことが続いていて、「自分は本当にリーダーとして選ばれる存在なんだろうか」と不安になることがあります。相手の悩みを聞くことはできても、方向性を言葉にする場面になると急に手が止まる。一般論でごまかしたくないのに、実際にはそうなってしまう。そんなときに思い出したのが、平井一夫さんの『ソニー再生』でした。 この本は「強い言葉でメッセージを発するリーダー論」ではなく、むしろ逆で、迷いながらも責任を引き受けていくプロセスが淡々と描かれています。社員の悩みを聞きつつも、結局はリーダー自身の口で方向性を決めないと何も始まらないこと。異見を拾い上げながらも、最後は自分が責任を持つと決めて期限を区切り、情報を更新し続けること。その地道さが、抜粋された言葉の中から何度も浮かび上がってきます。 読んでいて特に刺さったのは、「面を取りにいく」という発想でした。単発の成果ではなく、組織としてどんな世界観を表現するのかを繰り返し言葉にしていく姿勢は、私みたいにすぐ目の前のタスクに飲まれてしまうタイプには救いになります。完璧を求めすぎて身動きが取れなくなっているときに、三カ月で一度検討する、といった“動ける単位”に落とし込む考え方も現実的でありがたいところでした。 「自己流でなんとかしてきたけれど、そろそろ一段上の伝え方や決め方が必要になってきた人」に特に刺さると思います。リーダー像を押しつけない本なので、迷いを抱えたまま読んで大丈夫でした。
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多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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