
デューン 砂の惑星〔新訳版〕 上 デューン・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)
フランク ハーバート and 酒井 昭伸
早川書房 / 2016-01-25
この本について
仕事でも日常でも、判断を迫られる瞬間ってありますよね。情報は多いのに、自分の頭で考えているのか、環境に振り回されているだけなのか分からなくなる時期が、僕にも何度かありました。そんなときに読み返したのが『デューン 砂の惑星』の新訳版でした。SFなのに、妙にこちらの生活に刺さってくる場面があるんです。 たとえば「考えることを機械に委ねた」というくだり。便利さに流されすぎると、いつの間にか誰かの判断基準に乗せられてしまう感覚って、今の世界にも普通にあると思います。自分の意識がどこまで他人任せになっているのかを、フィクションを通して突き付けられるのが一つ。また、ポールが恐怖に向き合うときの言葉は、強がりでも精神論でもなく、「揺れながらも、自分の内側に戻ってくる」ための手順のように読めるんですよね。焦りをごまかすんじゃなく、ちゃんと通過させる姿勢に救われました。 さらに、ベネ・ゲセリットの「継続性」という考え方も、長期視点をすぐ失ってしまう自分には刺さりました。目の前の選択だけでなく、どう積み重ねるかを見続ける視点。その冷静さが、逆に物語の熱さを際立たせています。 派手な展開を楽しみつつ、人生の“考え方の癖”を見直したい人には響くはずです。僕自身、読み終えたあとに少しだけ判断が落ち着くようになりました。フィクションだけど、現実の自分に返ってくる一冊です。
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