
後悔の経済学 世界を変えた苦い友情 (文春文庫)
マイケル・ルイス and 渡会 圭子
文藝春秋 / 2022-02-08
この本について
仕事でも私生活でも、決めるたびに「これで良かったんだっけ…」と引っかかる瞬間ってありますよね。期待値でいえば正しいはずなのに踏み切れないとか、逆に説明が細かいだけの話を信じてしまうとか。頭ではわかっているつもりでも、実際の選択になると妙にぶれる自分がいる。僕もずっとその正体がつかめずにいました。 『後悔の経済学』は、その揺れの裏側にある“人間の癖”を物語として見せてくれる本でした。特徴的なのは、教科書的に理論を並べるのではなく、カーネマンとトヴェルスキーという二人の研究者の関係と迷いを通して、人はなぜ判断を誤るのかが立体的に見えてくるところです。例えば、後悔を避けようとして意思決定をゆがめてしまう場面や、確率より「もっともらしさ」に引っ張られてしまう感覚。自分の日常の選択にも覚えがありすぎて、読みながら何度も手が止まりました。 そして彼らの視点に触れると、不思議と“自分の判断が弱いから迷うんじゃない”という実感が出てきます。環境が判断を狂わせることもあるし、そもそも人間の脳は完璧に合理的にはできていない。だからこそ、判断そのものより、判断が置かれる状況を整えることが大事なんだと腑に落ちるんです。 迷いやすい人ほど救われる話が多いので、「選択にいつもモヤモヤが残るタイプ」の人にはとくに刺さると思います。自分の弱さを責めるより、仕組みを知って扱い方を変える。そのヒントが丁寧に詰まった一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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