
行動経済学~経済は「感情」で動いている~ (光文社新書)
友野 典男
光文社 / 2006-05
この本について
仕事で判断に迷ったり、「なんで自分はこう選んじゃうんだろ…」と後からモヤモヤしたりすることが、僕はよくあります。理屈では最適解があるはずなのに、実際の行動はそうならない。頭ではわかっているのに、体が別の方向へ動くあの感覚です。 『行動経済学』を読んで救われたのは、「人が非合理なのはダメだからではなく、そもそも人間はそういう仕組みで動いている」という視点をもらえたことでした。僕が刺さったのは、まず“合理的な経済人像”がいかに現実離れしているかを淡々と説明してくれるところ。嗜好が常に一貫していて、計算能力も自制心も無限、という前提で話が進むのなら、そりゃ僕らがそこから外れるのは当然だよなと腹落ちしました。さらに、判断が相対的な変化に強く反応することや、損失の方が利得より重く感じられることなど、自分の「どうしても避けられないクセ」を、あたかも鏡のように見せられます。サンクコストに縛られて撤退を遅らせる場面なんて、仕事でもプライベートでも思い当たりすぎて苦笑しました。 この本は、行動経済学を威勢よく語る本ではなく、人がどんなふうに判断し、どんな誤りに陥りやすいのかを地に足のついた説明で積み重ねていきます。だから、読み終わっても「よし、全部解決!」とはなりません。ただ、自分の判断を責める回数は確実に減るし、選択で迷ったときに「これは参照点がずれてるだけかも」と立ち止まる余裕が出てくる。そんな本です。 特に、自分の意思決定にいつも違和感がある人に刺さると思います。
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