
社会契約論/ジュネーヴ草稿 (光文社古典新訳文庫)
ルソー and 中山 元
この本について
日々ニュースを見ていて、「なんでこんな決まりが通るんだろう」「そもそも権威ってどこから来るんだっけ」と、じわっとした不信感が湧くことがありませんか。仕事でも、組織のルールに従うときに、自分の判断を置き去りにしているような居心地の悪さが出てくることがあります。かといって、ただ反発するだけでは前に進まない。このモヤモヤをどう扱えばいいのか、僕もずっと迷っていました。 ルソーの『社会契約論/ジュネーヴ草稿』を読んで感じたのは、「権力」と「合意」をいったん切り離して考えると、自分の立ち位置が見えてくるということです。たとえば、強盗の例にあるように、力で強いられて従った行為は、合意とはまったく別物だと説明されます。この違いを押さえておくと、職場や社会での“従わざるをえない場面”を、無自覚に正当化しなくて済むようになる。さらに、主権は譲渡できないし分割もできないという考え方に触れると、「自分の判断を丸ごと誰かに預ける」ことが、なぜ不安になるのかの理由がはっきりしてきます。 もう一つ大きかったのは、一般意志はつねに公益を指すが、人民の決議がいつも公正とは限らない、という冷静な視点でした。組織で多数決がすべてのようになっているときでも、「そもそも合意が前提にある」という問いを持てるようになるだけで、関わり方が変わります。反対するにせよ、受け入れるにせよ、「なぜそう思うのか」を自分の言葉で説明しやすくなるんですよね。 制度やルールに押しつぶされそうなとき、いまの社会や組織の“前提条件”を一度疑ってみたい人に刺さる本です。
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