
社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会> (筑摩選書)
小坂井敏晶
この本について
日々の判断って、ほんとうに自分の意志で選んでいるのか。それとも、気づかないところで状況に押し出されているだけなのか。仕事で「なぜあんな決断をしたんだろう」と後から自分を説明しようとして、うまく言葉にならない時ってありますよね。僕もそのたびに、自分の中に一本の軸があるようで、実はどこにも見当たらない感じがしていました。 この本は、そのモヤモヤを力づくで晴らすというより、「そもそも人間の判断ってそういう仕組みなんだよ」と視点ごと入れ替えてくるタイプの一冊です。意志は行為より先にあるものではなく、むしろ後づけで整えられるものだという話は、妙に生活実感に近くて、無理に自分を説明しなくてもいいのかという安心にもつながりました。また、行動の理由をすぐに人格に帰したくなるクセに気づくと、他人への苛立ちも少し減ります。状況に流される弱さではなく、人間が社会の中で動く以上、そういう力学が働くのだという理解に近づけた感覚があります。 そして何より、「常識のほうが間違っている可能性」をちゃんと扱ってくれる点がありがたいです。突飛に聞こえる仮説でも、一度は粘り強く検討する姿勢は、仕事でも人間関係でもそのまま効きます。自分の思考の枠組みを疑うことが、こんな形で学べるのかと驚きました。 こんな人に刺さると思います。自分や他人の行動を「性格」で片づけたくないのに、ついそこで説明してしまう人。僕も同じ場所にいましたが、この本は少しだけ景色を変えてくれました。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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