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いまファンタジーにできること (河出文庫)

いまファンタジーにできること (河出文庫)

アーシュラ・K・ル=グウィン、谷垣暁美

河出書房新社 / 2022-02-05

累計読者数3
平均ハイライト数 1件/人
推定読了時間 約3時間
star総合評価 35/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%

この本について

最近、人の善悪について考えるときに、「どっちとも言い切れないんだよな…」というもやもやだけが残ることが多くて、結局なにを信じればいいのか分からなくなることがあります。誰かの行動に違和感を覚えつつ、自分だって似たような過ちをしている気もして、白黒つけられないまま立ち止まってしまう。たぶん、この感覚って多くの人が抱えていると思います。 ル=グウィンの『いまファンタジーにできること』は、その迷いをごまかさずに扱ってくれる本でした。ファンタジーを「逃避」ではなく、善と悪の違いを丁寧に検討するための場として捉えているのが印象的で、読んでいると、物語の中で人が間違える理由や、正そうとする過程でまた別の間違いが生まれてしまう現実に向き合いやすくなります。白黒を急がずに、揺れたままでも進める視点をくれる、そんな感じです。 もう一つ、この本がありがたいのは、「道徳的に正しい答え」を押しつけてこないところです。若い頃ほど明確な善悪を求めがちだけれど、大人になってもその癖はなかなか抜けません。ル=グウィンはそこを静かにほどいてくれて、曖昧さの中に立っている自分を責めなくていい、という呼吸の余裕をくれます。 物語を読む理由をもう一度確かめたい人に、とても刺さる本だと思います。

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出版社による紹介

『指輪物語』『ドリトル先生物語』『少年キム』『黒馬物語』など名作の読み方や、ファンタジーの可能性を追求する評論集。「子どもの本の動物たち」「ピータラビット再読」など。
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