
人生相談を哲学する
森岡正博
生きのびるブックス / 20220218
この本について
最近、「自分の生き方ってこれで合ってるのかな」とか、「人の役に立ちたいけど、どう振る舞えばいいのか分からない」とか、そんなモヤモヤを抱えたまま日々を回している人、多い気がします。頑張って誰かを喜ばせたはずなのに、自分はなぜか全然うれしくない…あの感覚、けっこうしんどいですよね。 森岡正博『人生相談を哲学する』は、その“何が正しいのか分からないまま続く迷い”に、丁寧に付き合ってくれる本でした。読んでいて感じたのは、答えを押しつけるというより、一緒に「ああでもない、こうでもない」と考える距離感です。たとえば、他人を喜ばせる行為が苦しくなる理由を、「利己心を消そうとしすぎているからでは」と示してくれたり、「自分を好きになれないままでも、人を愛することはできる」という視点をそっと差し出してくれたりします。自己犠牲か自己愛かの二択で行き詰まったときに、第三の道を思い出させてくれる感じです。 もうひとつ印象的だったのは、哲学を“深い議論”ではなく、安全な場でお互いの思いを確かめ合う営みとして描いているところです。沈黙すら意味のある時間として扱われるあの感覚は、日常のコミュニケーションにも持ち帰れると思います。相手の気持ちを包み込むように意見を届けるとはどういうことか、そのヒントをもらえました。 「他人の期待に応えようとして疲れ切ってしまう人」には特に刺さるはずです。完璧な自分じゃなくても、人と関わることをあきらめなくていいんだと、静かに背中を押してくれる本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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