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新しい声を聞くぼくたち

新しい声を聞くぼくたち

河野真太郎

講談社 / 2022-05-26

累計読者数3
平均ハイライト数 34件/人
推定読了時間 約4時間29分
star総合評価 57/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

「なんであの言葉にこんなに反応してしまうんだろう」とか、「自分の中のモヤモヤの正体がつかめないまま、気づけば女性や社会全体にイラつきを向けてしまう瞬間がある」。そういう説明しづらい重さって、誰でも抱えたまま働いたり人と関わったりしていると思います。ぼく自身も、うまく言語化できないまま放置してきた感情がいくつもありました。 『新しい声を聞くぼくたち』が助けになったのは、そのモヤモヤを「個人の性格」ではなく、「能力と傷」「男性性の補綴」「幸福のカルト」といった枠組みで丁寧にほどいてくれるところです。たとえば、女性の“機嫌の悪さ”に過敏に反応してしまう構造や、怒りがどこかでねじれ、想像上の敵に転移してしまう流れを、実際の作品や社会の空気と並べて説明してくれる。読むうちに、攻撃性の発火点がどこにあるのか、そしてそれがどうして今の社会で強まりやすいのかが、少し具体的に見えてきました。 もう一つ大きかったのは、「弱者男性」とされる人々の語りの二面性を、短絡的な肯定や否定に落とさず扱うところです。傷があるのは事実だけれど、その傷がどんなふうに語られ、どこで他者への怒りにすり替わるのか。そこをまっすぐ見ることで、自分自身の反応の“根っこ”に触れる感覚がありました。 フェミニズムに対して距離がある人でも、「社会の中で自分がどう位置づけられているのかを整理したい」と感じているなら刺さると思います。個人の努力論に回収されない形で、今の生きづらさを言葉にしたい人に向いた一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

変わっていく世界と、ぼくたちのいらだち。 与えられた剣と鎧はどうやって手放したらいい? 映画や漫画など様々なコンテンツから、近年のフェミニズムの興隆の中で男性はどう生きるべきかを読み解く、画期的な文芸批評。 【目次】 はじめに 第一部 僕らは何を憎んでいるのか 第一章 能力と傷──ポストフェミニズム時代の男性性 第二章 やつらと俺たち──階級と男性性 第三章 男性性のいくつかの生き残り戦略──助力者と多文化主義 第二部 男性性、コミュ力、障害、そしてクリップ 第四章 『もののけ姫』と障害者の時代 第五章 コミュ力時代の男たち 第六章 「これは私の吃音だ!」──「個性」としての障害と治癒なき主体というユートピア 第三部 ライフコースのクィア化、ケアする男性 第七章 母の息子のミソジニー、母の息子のフェミニズム 第八章 ぼくら、イクメン 第九章 老害と依存とケア、そしてクィアな老後の奪還 おわりに──ケアする社会へ
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