
他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論
宇田川元一
ニューズピックス / 2019-10-02
この本について
仕事で誰かと噛み合わないとき、「なんでこの人はこんな言い方をするんだろう」とか、「説明しても伝わらないのは自分の言い方が悪いのか…」とか、つい自分や相手を責めがちですよね。僕もそうで、正解を探して空回りしていた時期が長かったのですが、この本はそのモヤモヤの“入口”の位置を少しだけずらしてくれました。 本書が効くのは、相手の言動そのものより、その背後にある“枠組み”をどう扱うかに踏み込んでいるところです。例えば、価値観と行動のズレに気づけず苦しくなる「ギャップ型」や、言いにくいことを飲み込んで空気だけ重くなる「抑圧型」など、現場でよく起きる状況をちゃんと「そういう構造なんだ」と言語化してくれます。また、対話を「わかり合うこと」ではなく「お互いのナラティヴに橋を架けること」と捉え直す視点は、実際の会議や1on1での空気の変え方に直結しました。 特に刺さったのは、問題が前に進まないときは“問いそのもの”を立て直す必要がある、という指摘です。相手の主張を変えようとする前に、自分がどんな前提で相手を見ているのかを保留してみるだけで、会話の温度が変わる場面がたしかにありました。 「誰が悪いか」ではなく「関係性をどう作り直すか」に関心がある人には、とても静かに効く本だと思います。
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