
モンテーニュ入門講義 (ちくま学芸文庫)
山上浩嗣
筑摩書房 / 20220314
この本について
仕事でも日常でも、つい「ちゃんと成果を出さなきゃ」と気が急いてしまう時があります。でも、本当にそれだけが指標なのかと立ち止まりたくなる日もあると思います。頑張りたい気持ちはあるのに、気持ちが前に出すぎて、自分の判断に自信を持ちすぎたり、逆に自己嫌悪に振り切れたりするあの揺れ。あの感じに振り回されている人には、モンテーニュの視点がすっと入ってくるかもしれません。 『モンテーニュ入門講義』を読んで印象的だったのは、彼が「偉大な生き方」を手放すところから、むしろ生がスムーズに流れ始める、という姿勢でした。今日は生き延びただけでいい、と言い切ってしまうあの感覚は、怠けではなく、他人の賞賛や世間の基準に巻き込まれないための実践に近いものです。そして、自分の判断に必要なのは自信ではなく「誤るかもしれない」という前提だという考え方も、現実的で救われます。判断が揺れるのは失敗ではなく、人間なら当然の変化だと示してくれるのも大きいです。 もうひとつ、この本のいいところは、モンテーニュが人間の愚かさや矛盾を「まず自分から」見つめていくところです。規範や正しさを押しつけるのではなく、古典を丁寧に読みながら、人間の習慣や思考の癖を観察していく姿勢がとても現代的です。「こうあるべき」に疲れたとき、彼のゆるやかな視線に触れると、自分の身の丈に合った生き方をもう一度選び直せる気がします。 自分を追い込みすぎるクセがある人、他人の評価に揺れやすい人には、とくに静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
目次
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要





