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モンテーニュ入門講義 (ちくま学芸文庫)

モンテーニュ入門講義 (ちくま学芸文庫)

山上浩嗣

筑摩書房 / 20220314

累計読者数4
平均ハイライト数 53件/人
推定読了時間 約8時間58分
star総合評価 68/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 26%

この本について

仕事でも日常でも、つい「ちゃんと成果を出さなきゃ」と気が急いてしまう時があります。でも、本当にそれだけが指標なのかと立ち止まりたくなる日もあると思います。頑張りたい気持ちはあるのに、気持ちが前に出すぎて、自分の判断に自信を持ちすぎたり、逆に自己嫌悪に振り切れたりするあの揺れ。あの感じに振り回されている人には、モンテーニュの視点がすっと入ってくるかもしれません。 『モンテーニュ入門講義』を読んで印象的だったのは、彼が「偉大な生き方」を手放すところから、むしろ生がスムーズに流れ始める、という姿勢でした。今日は生き延びただけでいい、と言い切ってしまうあの感覚は、怠けではなく、他人の賞賛や世間の基準に巻き込まれないための実践に近いものです。そして、自分の判断に必要なのは自信ではなく「誤るかもしれない」という前提だという考え方も、現実的で救われます。判断が揺れるのは失敗ではなく、人間なら当然の変化だと示してくれるのも大きいです。 もうひとつ、この本のいいところは、モンテーニュが人間の愚かさや矛盾を「まず自分から」見つめていくところです。規範や正しさを押しつけるのではなく、古典を丁寧に読みながら、人間の習慣や思考の癖を観察していく姿勢がとても現代的です。「こうあるべき」に疲れたとき、彼のゆるやかな視線に触れると、自分の身の丈に合った生き方をもう一度選び直せる気がします。 自分を追い込みすぎるクセがある人、他人の評価に揺れやすい人には、とくに静かに刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

心身の和合と自然への随順を説いたモンテーニュ。その著『エセー』の核心やよりよく生きるためのヒントを平明に伝える出色の講義。文庫オリジナル。 === 宗教戦争のさなか、通念や世間の道徳に懐疑の目を向けつつ、自然に従って生きることの喜びを説いたモンテーニュ。その著『エセー』では、自己の判断力を試し鍛えていくさまが、自由な文体によって描き出される。異文化への関心と共感、戦時における人間の狂気や暴力、性の歓び、ボルドー市長としての政治経験、旅と読書の愉楽など、扱われるテーマは実に幅広く、われわれの心を揺さぶる文章に充ちている。ストア的克己主義と節度ある快楽主義とを往還し、メメント・モリの受容から拒否へと至る過程で、独自な思想が紡がれていく。類まれな開明的人物の核心に迫る出色の講義。文庫オリジナル。 === 最上の幸福とは何か よりよく生きるための知恵の宝庫『エセー』。 主要テーマからモンテーニュの思想を読み解く。 === 【目次】 まえがき      第1章 「今日は何もしなかった」――『エセー』に見るモンテーニュの脱力的生きかた   第2章 『エセー』における死と幸福――「想像」による幸福、メメント・モリ 第3章 モンテーニュのパイデイア――旅と書物による「判断」の形  第4章 他者へのまなざし――新大陸の原住民  第5章 モンテーニュとラ・ボエシの友愛論  第6章 モンテーニュの政治観――乱世における法と秩序  第7章 身体の経験――老、病、性  モンテーニュ入門のための文献案内  あとがき

目次

まえがき      第1章 「今日は何もしなかった」――『エセー』に見るモンテーニュの脱力的生きかた   第2章 『エセー』における死と幸福――「想像」による幸福、メメント・モリ 第3章 モンテーニュのパイデイア――旅と書物による「判断」の形  第4章 他者へのまなざし――新大陸の原住民  第5章 モンテーニュとラ・ボエシの友愛論  第6章 モンテーニュの政治観――乱世における法と秩序  第7章 身体の経験――老、病、性  モンテーニュ入門のための文献案内  あとがき
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