
ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由
酒井穣
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2018-01-26
この本について
親の様子が少しずつ変わってきて、「そろそろ向き合わないと…でも何から始めれば?」と落ち着かない気持ちを抱えている人、多いと思います。いざ介護が始まると、仕事との両立どころか、何が正しい判断なのかすら分からなくなってしまう。自分も、あの“介護パニック期”の話にはかなり身に覚えがありました。 この本がよかったのは、「介護離職=家族思い」という思い込みをいったん横に置いて、現実の負担の流れをそのまま見せてくれるところです。善意だけで突っ走るほど状況が悪化する理由や、行政サービスを知らないことで生まれる“自分が全部やらなきゃ”という誤解が、どんなふうに人を追い詰めていくのかが、とても丁寧に書かれています。そして、自治体の窓口に相談するところから始まる「介護の仕組みの理解」が、精神的な余裕にどうつながるのかも具体的でした。 もう一つ刺さったのは、自立を「依存先を分散しておくこと」と捉え直す視点です。介護が突然やってきたときに、頼れる相手が自分ひとりしかいない状態こそ危険で、逆に人脈や専門家との関係を作っておくと、仕事も介護も“なんとかなる形”が見えてきます。親の介護が、自分の働き方や人生の優先順位を見直すきっかけにもなるという著者の実感も、きれいごとではなく現場の話としてすっと入ってきました。 「親の介護が現実味を帯びてきたけれど、仕事を辞める以外の選択肢が見えない」という人に特に届く本だと思います。
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