
東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?
富永雄輔
文響社 / 2017-07-21
この本について
子どもの勉強の話になると、「どうしたら自分から動いてくれるんだろう」「うちの子は競争ごとを嫌がりがちで大丈夫かな」と、不安がじわっと出てきますよね。丁寧に関わっているつもりでも、ふと振り返ると親主導でスケジュールも選択肢も決めていて、子どもの意思を確かめる余白がなかったな…と僕自身よく反省します。 この本が面白いのは、勉強法の話よりも前に「家庭でどんな空気が流れているか」を丁寧に見ていくところです。たとえば、食事の準備を少しだけ手伝わせるとか、自分で使ったものを自分で片づけるとか、一見ありふれた行動が“自分のことは自分でやる”という感覚につながり、それが勉強の主体性にも跳ね返るという指摘。さらに、勝負ごとを避けがちな子には、日常の小さなゲームの中で「負けても工夫すれば次は勝てる」という流れを繰り返すことで、結果ではなく戦い方そのものを楽しめるようになるという視点も、個人的にはかなり腑に落ちました。無理に厳しくするというより、家庭の中で“挑戦してもいい空気”をつくる話なんですよね。 読みながら、親が先回りし過ぎたり、子どもの世界を大人の価値観で埋め尽くしてしまったりすると、自立心や自信の芽を知らずに摘んでしまうんだな…とドキッとします。でも同時に、今すぐ全部を変えなくても、日常のひとコマで調整できることが多いと気づけて少し楽になります。 「子どもに自立してほしいけど、押し付けずにどう関わればいいか迷っている人」には、静かに効いてくる一冊だと思います。
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