
母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記
松浦 晋也
日経BP / 2017-08-03
この本について
親の老いが現実味を帯びてくると、「ちゃんと向き合えるだろうか」「自分の生活はどうなるんだろう」と、うっすらした不安だけが先に立つことがあります。いざ本格的な介護が始まってから情報を集めようとしても、心の余裕なんてほとんど残っていない。気持ちとしてはわかっているけれど、備えると言われても何をどうすればいいか分からないまま時間だけが過ぎる…そんなモヤモヤに、僕自身ずっと悩んでいました。 この本が効いたのは、介護を「気合い」ではなく現実の手続き・選択として捉え直せたところです。地域包括支援センターに早めに相談する意味や、特養・グループホーム・デイケアの違いなど、ぼんやりした不安が「具体的にどんな行動を取ればいいのか」に変わっていきます。また、認知症の進行がどれだけ本人の意思では止められないものか、その前提を知ることで、自分の中の怒りや無力感を責めすぎずに済むようになりました。やさしさは精神力ではなく“余裕の量”なんだと気づけたのも大きかったです。 さらに、引っ越しや持ち物を減らすことまで「老いの対策」になるという視点も、生活ベースの話としてすっと入ってきます。介護の現場にある生々しいエピソードも多いのですが、怖がらせるためではなく、先に現実を知っておくことで心と行動の準備がしやすくなる、そんな距離感で書かれています。 親のことを考えると胸がざわつく人、そして「次は自分の番だ」とどこかで感じている人に、静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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