
俳句劇的添削術 (角川新書)
井上 弘美
KADOKAWA / 2022-08-10
この本について
俳句をつくっていると、「何を書けばいいのか」「どう直せばよくなるのか」が分からなくなる瞬間がありませんか。言葉を足しても薄くなるし、説明を削ると今度は何も残らない気がする。自分でも何が正解か分からないまま推敲を繰り返して、余計に迷子になるあの感じです。 この本を読んで救われたのは、上手い言い回しよりもまず“実感”が芯になる、というごく当たり前だけど忘れがちな視点を思い出させてくれたところです。俳句は「見えるもの」を詠むこと。語りすぎたら途端に弱くなること。逆に、動詞を一つに絞るだけで焦点が生き返ること。こういう、作り手がつい曖昧にしてしまう部分を、丁寧に具体例で示してくれるので、推敲のときに自分の癖と真正面から向き合わざるを得なくなります。 また、「句に広がりや奥行きを用意するのは読者への礼儀」という言葉が、自分のつくる句の姿勢そのものを見直すきっかけになりました。取り合わせの扱い方、固有名詞の置き場所、「かな止め」が何を強調するのかといった細かい工夫も、知識ではなく“なぜそうすると生きるのか”まで踏み込んで説明されているので、そのまま自分の句に持ち帰れる感覚があります。 俳句を始めたばかりの人より、「書いているのにどこか手応えがない」「推敲が独り相撲になりがち」という人にこそ刺さる本だと思います。自分の句のどこがぼやけているのかを、無理なく見つけられるようになります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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