
八犬伝 上 (角川文庫)
山田 風太郎
KADOKAWA / 2022-11-22
累計読者数3
平均ハイライト数 2件/人
推定読了時間 約5時間4分
star総合評価 37/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%
この本について
仕事でも日常でも、「事実はこうなのに、自分はどう解釈すべきなんだろう」と迷うことがよくあります。正しさに寄りかかりたい気持ちと、自分なりの見方を持ちたい気持ちがぶつかるというか…。そんなときに山田風太郎の『八犬伝 上』を読むと、少し肩の力が抜けました。 作中で馬琴が語る「史実に従ってうそをつく」という姿勢がすごくおもしろいんです。根っこになる史実は動かさない。でも、その上でどう枝葉を広げるかは自由。これを読むと、私たちが日々向き合っている現実も同じで、全部を変えられなくても、扱い方や物語の組み立て方はいくらでも工夫できるんじゃないか、という視点が生まれます。 もう一つ刺さるのは、八人の忠臣の殉死という史実を前に、馬琴が淡々と、それをどう物語に昇華するかを語る場面です。重い出来事を重いまま扱うのではなく、そこで人間の感情や動きをどう拾い、どう物語にするか。これが、現実の悩みや混乱を一度“物語として眺めてみる”感覚につながって、感情に飲まれすぎずに整理できるようになるんですよね。 歴史やフィクションの話に見えて、実は「自分の現実の扱い方」を学べる一冊です。事実と解釈のバランスでいつも迷ってしまう人に、じわっと効くと思います。
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出版社による紹介
文化十年、江戸飯田町の小さな家屋で、作家・滝沢馬琴は画家・葛飾北斎に語り出した。宿縁に導かれた八人の犬士が悪や妖異と戦いを繰り広げる『南総里見八犬伝』である。落城寸前の安房・滝田城で、時の城主・里見義実が一縷の望みを愛犬・八房に託したことをきっかけに、里見家の運命が動き出す――。闊達自在な伝奇「虚の世界」と、執筆への執念を燃やす馬琴を綴る「実の世界」を、緻密な構成で見事に交錯させて描いた傑作。
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