
私の日本語雑記 (岩波現代文庫)
中井 久夫
岩波書店 / 2022-01-17
累計読者数3
平均ハイライト数 5.7件/人
推定読了時間 約6時間31分
star総合評価 46/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 69%
この本について
言葉にしようとした瞬間、気持ちの輪郭が急に細くなってしまうことってありませんか。自分では確かに濃く感じていたのに、説明しようとすると途端にしぼんでしまう。あるいは、過去の出来事を思い返すたびに、少しずつストーリーが書き換わっていく感覚にふと不安になる。日常的なことなのに、意外と誰にも話さないまま溜め込んでしまう類のモヤモヤです。 『私の日本語雑記』は、その「あいまいだけど確かにある感覚」を、少し遠くから、でも温度のあるまなざしで扱ってくれます。例えば、人は生きていくうちにどうして出来事の意味を変えていくのかとか、日本語が持つ「主語と動詞の長い距離」が会話の緊張をどう生むのかとか、普段は流してしまう現象にそっと光を当てていく。夢の豊かさが言語化で一気に単線化してしまう話なんかも、自分の中で説明できなかった違和感を代弁してくれるようでした。 過度にまとめようとせず、ただ「こういうことがあるよね」と寄り添うトーンなので、読むと不思議と肩の力が抜けます。声には「望みの声」と「躾けの声」があるという指摘も、日々の会話でどちらを使っているかをそっと見直させられました。言葉を巡る話ではあるけれど、最終的には自分の感じ方や選び方の話になってくる本です。 自分の内側で起きていることを、無理に整理しなくていい理由を知りたい人に刺さると思います。
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出版社による紹介
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