
ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法 (幻冬舎文庫)
アルテイシア
幻冬舎 / 2023-02-09
この本について
日常の中で、ふと「なんで私だけこんなに気を張って生きてるんだろう」と思うことってありませんか。怒りを飲み込んだり、モヤモヤをごまかしたり、理不尽に遭っても「自分が気にしすぎ?」と片づけてしまったり。私もずっとそんな感じで、どこが苦しいのかすら言語化できないまま過ごしてきました。 アルテイシアさんの『ヘルジャパンを女が自由に楽しく生き延びる方法』は、その「見えない圧」を可視化してくれる本でした。ジェンダーを学ぶと世界の見え方が変わる、という言葉がありますが、まさにその通りで、気づいていなかった“型”がどれだけ日常を縛っていたかにハッとします。怒ることを悪いことにしがちな日本の空気の中で、理不尽に対して怒れるのはむしろまっとうな自尊心だ、と言い切ってくれる感じにも救われました。 そして、この本がありがたいのは「誰かを一方的に断罪する」方向ではなく、アンコンシャスバイアスや教育不足といった背景まで丁寧に拾っているところです。無知ゆえの過ちは社会構造の問題でもある、と書かれていて、責められない側がなぜ鈍感でいられるのか、なぜ警戒せずに済むのか、といった“特権”の話も腑に落ちる形で語られます。 読んでいると、世界が敵だらけに見える感じがすこしやわらいで、「ああ、これは私の問題じゃなくて社会の仕組みの問題なんだ」と落ち着く瞬間が何度もありました。視界がクリアになると、踏まれたときに「踏むな」と言えるし、避ける判断もできるようになる、そんな感覚です。 こんな人に刺さると思います。自分のしんどさの正体がつかめず、でももう黙って飲み込むのは限界だと感じ始めている人。私もそうでしたが、この本は「どうやって生き延びるか」を一緒に考えてくれる相棒に近い存在でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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