
男性育休の社会学
中里英樹
さいはて社 / 20230331
累計読者数3
平均ハイライト数 40.3件/人
推定読了時間 約4時間44分
star総合評価 63/100
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この本について
仕事と家庭のあいだで揺れていると、頭では「育休をとった方がいい」と思っていても、職場の空気や制度の複雑さを前に足が止まることがあります。自分だけの問題じゃないのに、なぜこんなに悩むのか…と感じてしまうあの感覚、けっこう共通なんだと思います。 『男性育休の社会学』を読むと、そのモヤモヤに少し輪郭が出ます。たとえば「父親の権利」としての育休がまだ十分に浸透していない現状や、制度そのものがどう変わってきたのかが具体的に描かれていて、悩みの根っこが自分の弱さではなく構造側にもあるとわかるのが救いでした。また、ノルウェーやスウェーデンの事例を見ると、孤独な育児が前提になっていない社会のあり方が浮き彫りになって、日本で抱えている違和感の正体がスッと整理されます。さらに、過去の「妻が専業主婦であることを前提とした制度」など、今の働き方とミスマッチを起こしている理由にも触れていて、育児と仕事をどう組み立てるか考えるヒントになります。 自分の育休について迷っている人はもちろん、「なぜこんなに育休が取りづらい空気が続くのか」を少しちゃんと理解したい人にも響くと思います。自分の選択を考えるときに、感情だけでなく背景の仕組みまで見えてくる本でした。
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出版社による紹介
男性育休取得率向上の先に、われわれは何を目指すべきなのか? 日本、ドイツ、北欧での調査をふまえ、育児をめぐる文化や言説、制度の内容、改正のプロセス、実践について分析し、構造転換に向けて方策を提示する。ジェンダーにとらわれない子育てと夫婦のワーク・ライフ・バランスを模索し続けてきた著者による、集大成的大著。
*推薦の言葉*
ワーク・ライフ・バランスとジェンダー平等の鍵は男性育休にあり。自身も父親である著者が、当事者インタビューと、日本を代表して参加してきた国際共同研究の知見から、みんなが生きやすい社会を提案してくれる、説得力抜群の好著です。 〜 落合恵美子(京都大学大学院文学研究科教授)
目次
はじめに
第1章 問題の所在と理論枠組み
第2章 父親の子育てをめぐる言説・政策・実践
第3章 母親の育児休業と父親の育児休業 ― 量的データから
第4章 ひとりで育休を取った日本の父親たち ― インタビュー調査から
第5章 日本の育児休業制度の特徴 ― ノルウェー・スウェーデン・ドイツとの比較をとおして
第6章 父親の子育てが当たり前の社会とそれを支える仕組み ― スウェーデンとドイツの事例から
第7章 日本の育児休業制度の成立・変遷と父親の取得率向上への取り組み
第8章 男性育休促進のポリティクス ― 課題はなぜ解消されないのか?
第9章 男性育休の構造転換をめざして
おわりに
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