
子育て罰~「親子に冷たい日本」を変えるには~ (光文社新書)
末冨 芳、桜井 啓太
光文社 / 2021-07
累計読者数3
平均ハイライト数 36件/人
推定読了時間 約5時間55分
star総合評価 65/100
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この本について
子育てについて考えるとき、「なんでこんなに親だけが背負う形になってるんだろう」というモヤモヤが、ずっと頭の片隅にあります。忙しい職場で周囲に気を遣いながら早退をお願いするときや、教育費の話題になるたびに胸がざわつくとき、その感覚は強くなる気がします。自分が何かをサボっているわけでもないのに、どこかで“罰を受けている側”に立たされているようなあの感じです。 この本が面白いのは、そうした個人の努力ではどうにもならない負担が、実は社会全体の仕組みで再生産されていると丁寧に見せてくれるところです。親が疲れ切ってしまう背景にある「親負担ルール」や、残業前提の働き方、教育費を親が抱え込む構造など、普段は見えにくい前提をひとつずつ言語化してくれます。さらに、子どもが学校や家庭に囲い込まれて“大人と生活する仲間”ではなくなっていった歴史まで追っていくので、自分の悩みがどこから来ているのかが少し整理されます。責任を親だけに押しつけない視点を持てることで、罪悪感よりも「変えられる部分は社会にもある」という落ち着きに近い感覚が生まれる本でした。 周囲の働き方や制度に違和感を覚えている人、あるいは「自分だけが苦しいのでは」と感じやすい人には特に刺さると思います。自分の悩みを社会の文脈に置き直せると、ちょっと呼吸がしやすくなるはずです。
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出版社による紹介
少子高齢化が加速する日本において、出生数の回復は急務であるにもかかわらず、日本は諸先進国に比して家族関連社会支出が極端に少ない。子育て世帯に福祉的「ボーナス」を与えるどころか、金銭的にも社会的にも「罰」を与える政策により、日本の少子化対策は完全に失敗している。子育てを「自己責任」とみなし、親子を苦しめる社会・政治の制度・慣行を、本書では「子育て罰」と定義。九月入学問題や高所得世帯の児童手当廃止、「こども庁」の政治利用等に鋭く切り込んできた教育学者の末冨芳氏が、日本から「子育て罰」をなくし、再び「親子にやさしい国」にするための方策を論じる。学術用語「child penalty」から「子育て罰」という訳語を生んだ社会福祉学者・桜井啓太氏の論考、末冨・桜井両氏による対談も収録。
目次
「子育て罰」を作った3つの政治要因
「子育て罰」と子どもの貧困
「子育て罰大国」はどのようにして生まれたか
「子育て罰」大国から「子育てボーナス」社会へ!
「子育て罰」をなくそう
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