
「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす (光文社新書)
佐光 紀子
光文社 / 2017-11
この本について
家事や子どものことになると、どうしてこんなに「自分の責任」にされやすいんだろう…と、ふと重たく感じる瞬間があります。お弁当を残したら母親のせい、家が散らかっていたら努力不足。別に誰かに責められたわけじゃなくても、空気だけで勝手にプレッシャーが積み上がっていく感じ、わかる人は多いと思います。 この本が面白いのは、「なぜそう感じてしまうのか」を、歴史や制度の話とつなげて説明してくれるところです。例えば、学校が“親の代理”を前提にしていない国もあるのに、日本では無意識のうちに母親へと責任が集中する仕組みができあがっていること。戦後に作られた“ちゃんとした家事”への期待が、まるで昔からの伝統かのように扱われていること。そういう背景を知ると、自分の中のモヤモヤが「私が弱いから」ではなく、「社会の設計がそうなっていたから」だと理解できて、少し肩の力が抜けていきます。 読んでいて一番救われたのは、家事や子育てが“個人の完璧さ”の問題ではなく、そもそも政治や教育が作り上げた役割の押しつけでもあるという視点でした。自分の生活を変えるというより、まず「なんで私はこう思い込んでいたんだろう」と立ち止まれるのが、この本の効き方だと思います。 母親という役割にしんどさを感じている人、家事が“できて当たり前”という空気に違和感がある人には、特に刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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