
経営戦略としての異文化適応力
宮森千嘉子 and 宮林隆吉
日本能率協会マネジメントセンター / 2019-03-20
この本について
異文化の相手と仕事をするとき、「なんであの人はああなんだろう…」と理由がつかめないまま疲れてしまうことがあります。自分の伝え方が悪いのか、そもそも価値観が違うのか、その境界がぼやけると、相手の人格まで疑ってしまいそうになる。僕も海外チームとの会議で、沈黙が礼儀なのか意見を言わないサインなのか判断できず、混乱したことが何度もあります。 この本が面白いのは、「文化」という見えない前提が、行動や会議の空気をどう形づくっているのかを、かなり具体的に教えてくれるところです。ホフステードのモデルを軸に、「権力格差が小さい国では沈黙は傾聴、大きい国では沈黙は従順」「議論を歓迎する文化と、まず相手をよく聞く文化」など、実際のシーンに落ちる形で理解できます。相手の行動を“個人の性格”だけで判断しない視点が持てると、衝突の原因がほどけていく感覚があります。 もう一つ良かったのは、スキルや専門性だけでは異文化の壁を越えられない、と現実的に示してくれる点です。同じ会社の会議でも、暗黙のルールが社会ごとに違う。そこに気づけるだけで、期待されているリーダー像や協働の仕方が読みやすくなります。異文化に順応するというより、「他人のメガネを借りてみる」感覚に近いです。 海外チームと関わる人はもちろん、国内でも価値観の違いに疲れている人に静かに刺さる本だと思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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