
NHK「100分de名著」ブックス カント 純粋理性批判 答えの出ない問いはどのように問われるべきか?
西 研
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この本について
最近、「正しさってどこから来るんだろう」とか「科学で説明できない感覚をどう扱えばいいのか」というモヤモヤを抱える人、多い気がします。頭では割り切れないのに、日々の判断は待ってくれない。その狭間で立ち止まる瞬間、僕自身けっこうあります。 この本がおもしろいのは、いきなり“究極の答え”を示すわけではなく、問いの立て方そのものを整えてくれるところです。たとえば、科学が「真理の写し」ではなく人間の枠組みの中で組み立てられていると知ると、説明のつかない不安を必要以上に恐れなくてよくなる。そして、理性が描く「完全な生き方」は遠い理想ではなく、いまここでの行為を方向づける灯りなんだ、と視点を切り替えられる。さらに、主観同士が共有できる世界こそ客観性をつくる、という発想も、他者との対話の意味を少し柔らかく捉え直させてくれます。 答えが出ない問いとどう付き合うかを、地に足のついた形で考えたい人に向いている一冊です。抽象論で迷子になるより、自分の生活のどこに哲学が関わってくるのかを確かめたい人には、特にしっくりくると思います。
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