
世界の哲学者に学ぶ人生の教室
白取春彦 and 冀剣制
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2019-01-25
この本について
最近、ネットを見ていると「なんでこんなに断言できるんだろう…?」と不思議になることがあります。自分はむしろ、考えれば考えるほど分からないことの方が増えていくのに、そんな自分を言いにくい空気もあったりしますよね。分からないまま手を動かしているときの不安とか、判断が揺れる自分への嫌悪とか、けっこう日常に根を張っています。 『世界の哲学者に学ぶ 人生の教室』は、そういう“迷っている最中の人”にとって、ちょうどよい距離感で寄り添ってくれる本でした。読者が保存した抜粋にも多かった「無知の知」というテーマは、本気で“分からない”と言えることがどれだけ難しく、でもどれだけ強いかを具体的に示してくれます。単なる言葉遊びではなく、日常の思考や行動にどう反映されるのかが書かれているので、読んでいて自分の小さな癖や思い込みに気づかされます。 もう一つ印象的だったのは、理性・欲望・気概という三つの力の関係です。理性が正しさを示しても、それだけでは動けない。欲望だけに寄せれば迷走する。その間をつなぐ“気概”という存在が、思い返すと自分の迷いや暴走の原因にもつながっていて、妙に実感を持って読めました。哲学の抽象論ではなく、現実の自分の行動を調整するための視点として機能してくれます。 「勉強はしているはずなのに、判断が揺れる」「自分の考えが正しいのか分からなくなる」という人には特に刺さる本だと思います。大げさに人生を変えてくれるというより、考え方のクセを静かに矯正してくれる一冊でした。
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ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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