
サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化
松田千恵子
日経BP / 2021-12-11
この本について
仕事をしていると、「このポジション、本当にこの人でいいのか」「結局、社外取締役って何をしてくれているのか」みたいな、なんとなく引っかかる疑問ってありますよね。制度としては知っているつもりでも、実際の運用になると途端に霧がかかったようになるあの感じ、僕もずっと抱えていました。 この本は、そのモヤモヤに丁寧に光を当ててくれます。特に刺さったのは、まず“適所適材”の考え方。人がいないからといって無理に席を埋めない、というごく当たり前なのに実務ではなかなか実行できない姿勢を、具体的な企業の話を通して示してくれます。さらに、「社外」ではなく「独立」「非業務執行」という機能で役割を捉え直す視点も、肩書きに振り回されがちな自分の感覚をリセットしてくれました。そして、座席配置ひとつで会議の空気が歪むという指摘は、現場のリアルさに思わず苦笑してしまいますが、確かに心理構造まで左右するよなと腹落ちします。 全体を通して、ガバナンスを“制度の話”ではなく“人をどう見極め、どう支えるか”という問いに引き戻してくれる一冊でした。特に、次世代経営者の見極めや後継者計画といった、日本企業特有の難しさを正面から扱っている点は、現場で迷っている人ほど響くと思います。 経営側でも管理職でも、組織の「このままでいいのか」と感じている人に刺さる本です。僕自身、読み終わった後に、いくつかの会議の座り方や人選プロセスを見直すきっかけになりました。
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