
小説 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM (上) (角川コミックス・エース)
後藤 リウ, 小笠原 智史, and 矢立肇・富野由悠季
KADOKAWA / 2024-01-30
この本について
最近、誰かの“優しさ”がその人自身を追い詰めてしまう瞬間に遭遇することが多くて、どう向き合えばいいのか迷うことがあります。仕事でも家庭でも、責任感の強い人ほど無理を重ねてしまうし、その姿を見守る側もまた疲れていく。正義とか義務とか、大きな言葉では片づけられない揺らぎの中で、どう距離を取ればいいのか分からなくなるんですよね。 『小説 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(上)』は、その“ゆらぎ”を物語の中で丁寧に描いてくれます。読者が保存していた場面に共通していたのは、戦いの真ん中にいるキャラクターたちが、使命と日常の間で揺れている姿でした。優しすぎるゆえに壊れそうな主人公、支えたいのに届かない側の葛藤、そして「誰かがやらなきゃいけない」という言葉の裏にある空洞。こういう感情は、SFの舞台設定よりもむしろ人間そのものに刺さる部分だと思います。 この本が効くのは、まず“正しさ”だけでは割り切れない状況での心の動きをそのまま描いているところ。さらに、力や制度に頼れば世界は安定しそうなのに、そこからこぼれ落ちるものが確実にあるという感覚を読者側に突きつけてくるところ。最後に、仲間意識や信頼が一歩踏み込みすぎたときに起きる歪みまで拾おうとしているところです。 「強さとか責任とか、どこまで背負えばいいのか分からない人」に静かに届く物語だと思います。過度に答えを提示しないぶん、自分の中のモヤモヤと向き合う余白が生まれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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