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人はどう老いるのか (講談社現代新書)

人はどう老いるのか (講談社現代新書)

久坂部羊

講談社 / 2023-10-19

累計読者数5
平均ハイライト数 2.6件/人
推定読了時間 約2時間34分
star総合評価 40/100
boltライト読書型

この本について

年齢を重ねることについて、なんとなく不安だけが先に立ってしまうときがあります。親の変化に戸惑ったり、自分の体力や気持ちの揺れに「これって普通なのかな」と落ち着かなくなる瞬間もありますよね。老いをどう受け止めればいいのか、その基準が見えにくいまま、ただ漠然と心配だけが積もっていく感じ、僕自身よくあります。 『人はどう老いるのか』は、そのモヤモヤに少し輪郭を与えてくれる本でした。たとえば、年齢とともに起こる不如意を「避けるもの」ではなく、「状況に合わせていくことが賢い対処」と捉える視点は、肩の力が抜ける感じがしました。また、認知症の人が口にする「帰りたい」という言葉の背景にある不安や落ち着かなさを、行動や気持ちの流れとして丁寧に説明してくれるので、表面の言葉に振り回されすぎなくなるところも大きかったです。そして、老いるとは失うことだと言われがちな中で、欲望や執着を少しずつ手放すことの意味を、現実的な語り口で示してくれるのも、この本の特徴だと思います。 過度に楽観も悲観もしない姿勢で、「老い」を感情ではなく理解として捉え直したい人に刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

老いればさまざまな面で、肉体的および機能的な劣化が進みます。目が見えにくくなり、耳が遠くなり、もの忘れがひどくなり、人の名前が出てこなくなり、指示代名詞ばかり口にするようになり、動きがノロくなって、鈍くさくなり、力がなくなり、ヨタヨタするようになります。 イヤなことばかり書きましたが、これが老いるということ、すなわち長生きということです。 にもかかわらず、長生きを求める人が多いのはなぜなのか。それは生物としての人間の本能であり、長生きをすればいいこともいっぱいあるからでしょう。 世の中にはそれを肯定する言説や情報があふれています。曰く、「八十歳からの幸福論」「すばらしき九十歳」「人生百年!」「いつまでも元気で自分らしく」「介護いらず医者いらず」等々。 そのことに私は危惧を深めます。そんな絵空事で安心していてよいのかと。 思い浮かぶのが、パスカルの言葉です。 我々は絶壁が見えないようにするため、何か目を遮るものを前方に置いた後、 安心して絶壁のほうに走っているのである。 下手に老いて苦しんでいる人は、だいたい油断している人です。浮かれた情報に乗せられ、現実を見ずに明るく気楽で前向きな言葉を信じた人たちです。 上手に老いて穏やかにすごしている人は、ある種の達観を抱いています。決していつまでも元気を目指して頑張っている人ではありません。いつまでも元気にこだわると、いずれ敗北の憂き目を見るのは明らかです。 老いれば機能が劣化する分、あくせくすることが減ります。あくせくしても仕方がないし、それで得られることもたいしたものではないとわかりますから。そういう智恵が達観に通じるように思います。 多くの高齢者に接してきて、上手に楽に老いている人、下手に苦しく老いている人を見ていると、初体験の「老い」を失敗しない方法はあるような気がします。それをみなさんといっしょに見ていきたいと思います。 第一章 老いの不思議世界 第二章 手強い認知症高齢者たち 第三章 認知症にだけはなりたくない人へ 第四章 医療幻想は不幸のもと 第五章 新しいがんの対処法 第六章 「死」を先取りして考える 第七章 甘い誘惑の罠 第八章 これからどう老いればいいのか
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