
第五番 無痛2 (幻冬舎文庫)
久坂部羊
この本について
仕事でも生活でも、判断に迷う場面ってけっこうありますよね。相手の背景が見えないまま「こういう人だろう」と思い込んでしまったり、ニュースを見ているだけでは医療や福祉の仕組みがどう動いているのかつかみきれなかったり。自分の中のモヤモヤを言語化できないまま過ぎていくこと、僕もよくあります。 『第五番 無痛2』を読んでいると、そのモヤモヤの正体が少しずつ形になっていきます。たとえば、外見で犯罪者を判断しようとする古い考え方が物語のなかで持ち出されますが、それはフィクションの話にとどまらず、普段の自分にもどこか思い当たる。医療現場の検査の重さや、生活保護や治験の仕組みが描かれるシーンも、知識として知っていたつもりなのに、実際に人がそこに置かれるとどう見えるのかがリアルに迫ってきます。読んでいて気持ちよく答えをくれるわけではないけれど、視界が一段クリアになる感覚がありました。 もうひとつ印象的だったのは、登場人物が仕事の倫理や責任に揺れる場面が多いことです。「報告は正直にしないと意味がない」とか、「商売は三方よしじゃなきゃだめ」というセリフが急に胸に残って、普段の働き方にも持ち帰れる。医師や患者だけの物語ではなく、自分の職場にも置き換えられる揺らぎがあるんですよね。 医療ミステリーとしても読めますが、それ以上に、「人の弱さや立場の不均衡を、どうやって理解するか」を考えさせられる一冊でした。制度やニュースの裏側にある現実を、物語という形で受け取りたい人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの59%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要








