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推しの殺人 (宝島社文庫)

推しの殺人 (宝島社文庫)

遠藤かたる

宝島社 / 2024-02-06

累計読者数3
平均ハイライト数 6.3件/人
推定読了時間 約3時間42分
star総合評価 45/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 39%

この本について

日々やることに追われていると、自分の時間がどれだけ損なわれているのか、ふと考えることがあります。誰かの都合に振り回されたり、理不尽な力関係に押しつぶされそうになったり、後から「なんであの時あんな空気に従ってしまったんだろう」と思い返すような場面も多いですよね。頭ではわかっていても、現場ではうまく立ち回れない。そのしんどさは、けっこう根深いものだと思います。 『推しの殺人』が刺さっている人の抜粋を見ていると、その「根深さ」を真っ向から描いているところに反応しているように感じました。とくに、構造としての弱さや不条理を突きつけられる感覚。誰かの機嫌や都合に支配され、気づけば自分の選択肢が細っていくあの息苦しさ。本書では、それが日常の些細な会話や、五分遅れただけで“合計十五分損した”と言われるような細かな支配関係として積み重なっていきます。そういう描写が妙にリアルで、読んでいて他人事にできません。 もうひとつは、「戻りたい道はもう失っている」という感覚です。振り返ればもっと早く気づけたかもしれないし、別の選択肢もあったかもしれない。でも、今はもう進んでしまった道の上で答えを出すしかない。あのどうしようもない手遅れ感を、本書は静かに、でも鋭く描いていて、そこに救われる人もいるはずです。誰かを責めるというより、自分がなぜそこに立ち尽くしてしまったのかを理解するための物語として読めます。 理不尽に飲み込まれやすい構造の中で、自分の感情をうまく言語化できないまま生きてきた人に刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

2024年 第22回『このミステリーがすごい!』大賞 文庫グランプリ受賞作 行き着く先は破滅か、ステージか! 待ち受けるどんでん返し! (あらすじ) 大阪で活動する三人組女性地下アイドル「ベイビー★スターライト」は、様々な問題を抱えて危機的な状況にあった。尊大な事務所社長、グループ内での人気格差、恋人から暴力を受けているセンター……そのような中で、“ベビスタ”はさらに大きな問題に見舞われる。メンバーのひとりが事務所で人を殺してしまったのだ。彼女の罪を隠蔽するため、三人は死体を山中に埋めることを決意して――。 【著者について】 遠藤かたる 1988年生まれ。愛媛県松山市出身。甲南大学法学部卒業。現在、化粧品メーカー勤務。第22回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、本作でデビュー。
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