
顧客を見れば、戦略はいらない 解像度を上げるボトムアップマーケティング
川端 康介
日経BP / 2024-11-25
この本について
マーケの仕事をしていると、「ターゲットは理解したつもりなのに、なぜか売れない」「認知を伸ばしたはずなのに、意外とCVにつながらない」という引っかかりが必ず出てきます。僕自身、データを見ても仮説を立てても、何が本質なのか見失う瞬間がよくあって。そんな時にこの本を読むと、思っていた“顧客理解”がいかに雑だったかを突きつけられます。 特に刺さるのは、年齢や属性ではなく「その人がどんな状況で、何を得たくて、どんな代替手段を思い浮かべていたか」を見ない限り、ブランドは“今”選ばれないという点です。認知を上げるより前に、CVまでの行動のどこでつまずくのかを丁寧に見ていく。例えば、すでに買う気がある人がフォームで離脱しているなら、それは商品の問題ではなく心理コストや機会コストの話かもしれない。逆に、便益の理解が浅い人には、情緒や世界観よりも「失敗しなさそう」という根拠の方が効く。この切り分けがめちゃくちゃリアルです。 もう一つ良いのは、N1の声を過信しすぎる危険にも触れていること。具体的な個の声を拾うのは大事だけど、市場性があるかは別の話で、そこを誤ると一気に数字が崩れる。現実のマーケ現場でよく起きる落とし穴を、かなり冷静に説明してくれます。 「属性じゃなく状況を見たい」「選ばれる理由をもっと精度高く知りたい」と感じている人には、かなり刺さる本です。自分のやり方を否定されるというより、視界が二段階くらいクリアになる感覚に近い本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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