
20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑
杉浦 泰
この本について
仕事で判断に迷ったり、組織のなかで「このやり方、本当に今のままでいいのかな」と立ち止まる瞬間ってありますよね。正解を探したくなるけれど、状況は毎回ちがうし、そもそも“これだけやればいい”みたいな処方箋がないのが現実で、そこで余計に足が止まってしまう。僕も同じようにぐるぐるするタイプです。 この本が面白いのは、V字回復の物語を「成功物語」として持ち上げているわけではなく、企業が実際にどう現実と向き合い、どこに痛みがあり、どこに手を入れたのかが生々しく描かれているところです。たとえばオムロンの“細分化”の話。トップが現場の痛みを感じられなくなっていたという分析は、会社員ならどこかで心当たりがあるはずで、「結局、問題って上からは見えないよな」と妙に腹落ちしました。森ビルの住民との対話の積み重ねも、きれいごとじゃなく「関わるしかなかった」という現実そのもの。派手な戦略より、地道な接点づくりの方が組織を動かすこともあるのだと実感します。 さらに、安定期にこそ固定費の見直しを怠りがちになるとか、環境変化によって“正しかった過去の判断”が一気に負債に変わるとか、カルビーや良品計画の例が教えてくれるのは、“判断の鮮度”を常に更新していく必要性でした。正解を持ちたくなる気持ちを一度わきに置いて、「今の前提は本当に生きているのか」と問い直す癖がつく本です。 組織の変化に振り回されがちな人、あるいは自分の判断軸を持ちたいけれど探りきれずにいる人には、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
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