
東アジア現代史 (ちくま新書)
家近亮子
筑摩書房 / 20250110
この本について
歴史の本を読むときって、「結局いまの東アジアの複雑さってどこから来てるんだろう…」みたいなモヤモヤがつきまといませんか。学校で習った断片だけではつながらず、ニュースを見るたびに足元がふわつく感じ。自分もその感覚が長くあって、でも調べようとすると専門書は急に難しくなる、という壁にぶつかっていました。 この本は、その“つながらなさ”をほどくのにちょうどいい距離感なんですよね。たとえば、南京戦や山東出兵のような日本が関わった出来事だけでなく、チャーチルが中国をどう見ていたか、孫文がどんな支援を求めて各国を転々としたのか、清から中華民国・中華人民共和国へと至る政治の揺れがどう人々の生活や判断に影響したのか、同じ線の上で説明されていきます。単に「事件が起きた」ではなく、食糧危機や留学生の増加、女性の権利、台湾人日本兵、天安門まで、社会の地層みたいな情報が積み重なっていくので、自分の中で歴史が急に“立体”になる感覚がありました。 個人的にありがたかったのは、日本と中国・韓国との関係を、善悪やイデオロギーじゃなく「どういう背景のうえでそう動いたか」で理解できるようになることです。円借款やODAがどう受け取られたのか、国民政府や共産党の内部でどんな葛藤があったのか、こういう話を知っているだけでニュースの読み方が変わります。大きく構えた知識じゃなく、日常で判断するときの“地図”が増える感じです。 いまの東アジアの空気をどう捉えていいかわからない人、背景を自分の言葉で説明できるようになりたい人にはすごく刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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