
吹上奇譚 第四話 ミモザ (幻冬舎文庫)
吉本ばなな
幻冬舎 / 2025-02-06
累計読者数3
平均ハイライト数 10件/人
推定読了時間 約1時間53分
star総合評価 59/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 88%
この本について
最近、自分の気持ちを深く考える余裕がなくて、「このまま流されていくんだろうか」とぼんやり不安になることがあります。誰かと比べて焦ったり、逆に何も感じられなくなったり。そんなときに思い出すのが、『吹上奇譚 第四話 ミモザ』で描かれる、静かに心へ潜っていくような感覚です。大きな答えを求めているわけじゃないのに、気づいたら何かがほどけているような、そんな読後感があります。 この本が効いてくるのは、まず「心の中を掘り下げるしかない」というまっすぐな視点です。努力とか成長とかとは別の場所で、ただ自分の感覚を信じていく。その時間を持てていないときほど、この言葉が刺さります。もうひとつは、当たり前すぎて見逃していた日常の重みをそっと戻してくれるところです。誰かの声や、何気ない会話や、そこにいるだけの赤ちゃんの存在。その小さなものが実は人生を支えているんだ、と気づかせてくれる描写が多いんですよね。そして極端な希望や覚悟ではなく、「ここにいていい」と思えるだけで、生きる形が少し変わることもある。そんな優しさが物語の中に積み重なっています。 大きな悩みを一気に解決したい人よりも、「今の自分のままで大丈夫か確かめたい人」に届く本です。読んでいくうちに、世界の見え方が少しだけ広がって、呼吸がしやすくなる。そのくらいの変化で十分なんだと思わせてくれます。
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出版社による紹介
海と山に囲まれ、墓場に屍人が現れる吹上町に、赤ちゃんが生まれた。名はミモザ。母親は除霊師の美鈴。幼いころ虐待を受け「幸せが怖い」と感じる美鈴は、出産を機にしゃべれるようになり、友人のミミは美鈴を静かに見守ろうと決めた――。日常の奥底のダイナミックな動きと気づきに触れ、力が湧いてくる、唯一無二の哲学ホラー小説。
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