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吹上奇譚 第三話 ざしきわらし (幻冬舎文庫)

吹上奇譚 第三話 ざしきわらし (幻冬舎文庫)

吉本ばなな

幻冬舎 / 2023-01-13

累計読者数4
平均ハイライト数 3件/人
推定読了時間 約1時間59分
star総合評価 36/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 21%

この本について

人と話していても、どこか「ちゃんと関係を作らなきゃ」と力が入りすぎたり、逆に何を話せばいいのかわからなくなることってありませんか。家族でも友人でも、名前のついた関係のほうを意識しすぎて、肝心の「自分がここにいてもいい感じの会話」ができていない気がして、ふと虚しくなるようなときがあります。 『吹上奇譚 第三話 ざしきわらし』は、そういうモヤモヤを、説明ではなく“風景”としてそっと差し出してくれる本でした。たとえば、相手にとっては何気ない行動が、こちらの人生を支えるほどの救いになっていることがあるという視点。これは、誰かに特別なことをする話ではなく、普段の自分の延長線上にある関わり方を思い出させてくれます。また、聞いてもらうことで初めて自分が見えてくるという描写もあって、会話って「理解し合う」というより「生きている感触を確認する」ものなんだなと、肩の力が抜けました。 さらに、なにかを“面倒見る”ことが人間の自然な広がり方なのかもしれない、という一節も印象的でした。子どもや家族という枠に限らず、魚でも植物でも、店でも近所の子でも、気づけば自分の世界を少し温めてくれる存在がいる。そう思うと、自分の生活にも静かに息づいているものがあるように感じられます。 関係に名前をつける前の「なんとなく安心して話せる感覚」を取り戻したい人に刺さる本だと思います。忙しい日常の端で、自分と誰かのあいだにある微細なあたたかさを確かめたいときに、そっと寄り添ってくれます。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

異世界の伝説がある海と山に囲まれた吹上町では、不思議な事がたくさん起こる。屍人が墓をうろつき、遺体が消え、最近では、引きこもりの美鈴の部屋に、夜じゅう遊びまわる子どもの霊が現れたという。霊は妊娠の予兆なのか? 相談を受けたミミは、美鈴と共に正体を調べ始める......。自然と人間の美しさが胸を打つ、スリル満点の哲学ホラー。
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