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ミトンとふびん (幻冬舎文庫)

ミトンとふびん (幻冬舎文庫)

吉本ばなな

幻冬舎 / 2024-02-08

累計読者数8
平均ハイライト数 7.5件/人
推定読了時間 約2時間31分
star総合評価 42/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 14%

この本について

最近、人との距離の取り方がわからなくなることがよくあります。親との関係も、恋人との関係も、仕事での立ち位置も、うまくいっているのか判断できなくなる時期ってありますよね。元気なふりをしていても、実際は感情を省エネ運転にしてなんとか日々を回しているような感じで。 『ミトンとふびん』は、そんな「自分の輪郭が揺らぐ感じ」に妙に寄り添ってくれる物語でした。母の死を見送りながら、自分がどれだけその愛情に支えられていたのかを思い出していく主人公の姿が、読者の抜粋にもよく表れています。強く見える人ほど、本当は壊れやすい部分を丁寧に扱って生きているんだなと感じさせられました。そしてもう一つ印象的なのは、自分を大切にしてくれる相手と出会った時の「距離の置き方」の描写です。相手をコントロールしない、でも冷たくもしない、そのバランスに救われる場面がいくつもあります。 読んでいて思ったのは、この本は大げさに励ましてくるタイプではなく、むしろ「いまの状態のままのあなたで大丈夫だよ」と横に座ってくれるような存在に近いということです。生きることが積み上げと喪失の繰り返しだと理解している人ほど、この静かな視点に共感するはずです。 誰かを大事に思うことに少し疲れている人、自分の生活の温度がよくわからなくなっている人には、とくに刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

互いに事情を抱え、母親達の同意を得られぬまま結婚した外山くんとゆき世。新婚旅行先のヘルシンキで、レストランのクロークの男性と見知らぬ老夫婦の言葉が、若いふたりを優しく包み込む(「ミトンとふびん」)。金沢、台北、ローマ、八丈島。いつもと違う街角で、悲しみが小さな幸せに変わるまでを描く極上の6編。第58回谷崎潤一郎賞受賞作。
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