
研究者としてうまくやっていくには 組織の力を研究に活かす (ブルーバックス)
長谷川修司
この本について
研究を続けていると、「これ独創的なんだろうか」「周りがすごすぎて自分だけ取り残されてないか」みたいな不安って、どうしてもつきまといますよね。私も大学・企業どちらの現場でも、同じ悩みをぐるぐる回り続けてきました。そんなときに読んで、肩の力が少し抜けたのがこの本でした。 一番効いたのは、「独創性って、師の掌の上から一歩外に出られるかどうか」という視点です。天才的なひらめきが突然降ってくるわけじゃなくて、まずは与えられたテーマをきちんと自分の手で回し、その中で“つまらなさ”すら自分で示せる冷静さが必要なんだと腑に落ちました。独創性を焦らなくていいと思えるだけでも、研究の進め方がだいぶ変わります。 もう一つ大きかったのは、研究は専門知識そのものよりも「人間としての総合力」が問われるという話です。プレゼンでは能動態で話したほうが伝わるとか、聴衆が何を期待しているかを先に考えろとか、査読者への返答は真正面から戦うんじゃなくて、全体像を示して静かに“説得する”んだとか…。結局、研究って技術と同じくらいコミュニケーションの仕事なんだなと実感させられます。 それから、必要になったときに必要なスキルを学び直す柔軟さを持ち続ける姿勢も、この本では何度も出てきます。仕事のステージが変わるたびに「今さらこんな基礎…」と尻込みしがちですが、英語の教科書をあえて読み直す実例のように、遠回りっぽい行動が後々の武器になることもあるんですよね。 研究に対して「ちゃんとやらなきゃ」と肩に力が入りすぎている人、自分の足取りに自信が持てないまま博士課程や研究職で頑張っている人には、じわっと効く本だと思います。
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