
ひらめきはカオスから生まれる
オリ・ブラフマン, ジューダ・ポラック, 入山章栄, and 金子一雄
日経BP / 2014-02-19
この本について
仕事でも生活でも、頭がずっと埋まっている感じが続くと、いいアイデアどころか自分の考えさえ曖昧になっていくことがあります。頑張って考えているつもりなのに、なぜか前に進んでいる手応えが薄い。そんなモヤモヤを抱えている人は多いはずです。僕自身も、考え詰めるほど視野が狭くなるタイプで、「もう少し余裕があれば違う発想ができたのに」と後から思うことがよくあります。 『ひらめきはカオスから生まれる』は、この“余白のなさ”が創造性を奪っているという指摘から始まります。脳は、束縛から離れているときにこそデフォルト・モード・ネットワークが働き、情報同士の思いがけない結びつきが生まれる。つまり、頑張って考えるだけでは届かない場所があるということです。そして本書が面白いのは、個人だけでなく組織にも同じことが起きると示している点で、意図的につくった“小さなカオス”が、偶然のようで偶然ではない発想につながるという視点です。 もうひとつ刺さるのは、「異分子」を迎え入れるという考え方でした。組織の中にいると、似た背景や価値観の人ばかりで固まりやすいのですが、異質な人が混ざることで自然と余白が生まれ、固定化したシナリオが揺さぶられる。この“揺れ”こそがセレンディピティの種になるという説明は、実際の職場でも心当たりがある人は多いと思います。 日々のタスクに押し流されて、考える時間がつねに不足している人。あるいは、組織の中で新しい流れをどうつくればいいか悩んでいる人。そんな人に、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの45%が集中しています。
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