
ケアの倫理と平和の構想 戦争に抗する 増補版 (岩波現代文庫)
岡野 八代
累計読者数3
平均ハイライト数 3.3件/人
star総合評価 39/100
boltライト読書型
この本について
ニュースを見ていると、何が「正しい」立場なのか分からなくなってしまうことがあります。声の大きい議論に引っ張られたり、誰かの苦しみが都合よく使われているように感じたり。でも、その違和感を言語化できずに飲み込んでしまう。僕もずっとその繰り返しでした。 『ケアの倫理と平和の構想』は、そのモヤモヤを外側から照らしてくれる本でした。たとえば、アフガン女性の「解放」を掲げながら爆撃が肯定されていった過程や、批判的な声が主要メディアから消されていった事実が淡々と示されていくにつれ、「善意」の名のもとに何が上書きされてしまうのかが見えてきます。また、世界が“潜在的に戦争と同義”になっていく感覚が、自分たちの日常にもすでに忍び込んでいることに気づかされます。誰かが異議を唱えるだけで「時代遅れ」扱いされるあの空気の正体にも手が届きます。 この本は、派手な解決策を提示するわけではありません。ただ、他者を気にかけるというごく当たり前の行為が、どうして政治や暴力の中でねじれてしまうのか、その構造を静かに教えてくれます。自分の中の「これはおかしい気がする」という声を無視したくない人に、特に刺さると思います。
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