
この本について
年齢を重ねるほど、「ちゃんとしなきゃ」という気持ちが静かに積み上がっていく感じ、ありませんか。仕事でも生活でも、若い頃よりは分かってきたはずなのに、どこかでずっと構えてしまう。そんなときに、ふと力を抜かせてくれるのが『アウト老のすすめ』でした。 読者の方が保存していた「小学校の6年間はやたら長かった」というくだりを読んだとき、ああ、この本は“時間”の感覚をほぐしてくれるんだなと思いました。子どもの頃の妙に濃い記憶や、大人になってからのあっという間の日々を、みうらじゅんさんはあえて比べたり整理したりしない。ただ、思い出したままに語っていく。そのゆるさが、急いで結論を出そうとする大人の心をちょっとだけ止めてくれます。 また、「怪獣博士のラブレター」や横浜中華街のエピソードのように、日常の中に突拍子もない視点が突然現れる瞬間が多いんですが、これが不思議と効きます。老いとか人生とかを深刻に扱わず、むしろ“変なことを面白がる力”が年齢とともに育っていく感じがして、自分のなかの硬さがほどけていきます。夜のラジオを聴くような、気負いのないリズムで読めるのもいいところでした。 「最近、肩の力が入りっぱなしだな」と感じている人には特に刺さると思います。老いについて前向きに考えたいというより、もっと気楽に生きるためのヒントが欲しいとき、そっと横に置いておける一冊です。
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