
サトシ・ナカモトはだれだ? 世界を変えたビットコイン発明者の正体に迫る
ベンジャミン・ウォレス、小林啓倫
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この本について
ときどき、自分が触れているテクノロジーの裏側にある「人間くささ」を知らないまま判断している気がします。ビットコインもそうで、理念や相場の話ばかり聞くけれど、そこに関わった人たちがどんな動機で、どんな生活をし、なぜここまで複雑な文化を作ってきたのか…となると一気に霧の中に入ります。 この本は、その霧を少しずつ晴らしてくれる感じがありました。たとえば、暗号研究の世界で地道に作業していた人や、アナーキズムと技術の間を行き来していた人が、どういう経緯で今のビットコインの思想を形づくっていったのかが具体的に描かれています。また、サトシ・ナカモトを追いかけるほど、ビットコインの仕組みそのものが「個人ではなく構造で持つための設計だった」と気づかされるのも面白いところでした。秘密鍵をどう扱うかの極端な実例も、思想と実践の間に残るギャップをそのまま見せてくれます。 少し距離があるテーマに見えて、実際は「人が何を信じ、どこまで責任を持とうとするか」という話でもあります。技術の話をしているようで、最後は生き方の話に重なってくる。そんな読み心地でした。 こういう、人と思想の入り混じった歴史から何か考えたい人には特に刺さると思います。
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