
過疎ビジネス (集英社新書)
横山勲
集英社 / 2025-07-17
この本について
地方創生とか官民連携って、言葉はよく聞くのに実態がよく分からないまま「なんとなく大事なんだろう」で流してしまうことってあります。僕もそうで、ニュースを追っていても表面だけを見ていたんじゃないか、とこの本を読んで思いました。小さな自治体が抱える人手不足やガバナンスのほころびが、どんな形で外から入り込む企業と結びつき、どう歪んでいくのか。具体的な現場の録音や資料をたどる描写が、抽象論では見えなかった構造を浮かび上がらせてくれます。 特に刺さったのは、取材のプロセスそのものが丁寧に書かれているところです。事実をどう確かめるのか、何をもって「信頼できる」と判断するのか。読者が保存していた抜粋からも分かるように、報道側の葛藤や限界も包み隠さず描かれていて、自分が普段どれだけ“都市部中心の視点”に偏っていたかを痛感しました。地方創生を善悪の二元論で語らず、制度の穴や現場の疲弊を具体的に示すことで、なぜ問題が起きるのかが腑に落ちてきます。 派手な成功談ではなく、過疎地域に積み重なってきた現実を淡々と追う本なので、読んだからといって即行動が変わるタイプではありません。でも、小さな自治体をめぐるニュースに接したときの「どこまでが構造的で、どこからが個別の問題なのか」を判断する目は、確実に変わります。地方行政や公共政策に関心がある人はもちろん、地方とどう関わるべきか迷っている人に特に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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