
世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ (文春新書)
齋藤 ジン
文藝春秋 / 2024-12-17
この本について
最近、世界情勢の記事を読んでも「で、結局この先どう動くのか…」とモヤモヤだけが増えていく感じがありました。アメリカも中国も揺れているし、日本の位置づけもよくわからない。自分の仕事や生活レベルに落とすと何を判断基準にすればいいのか、正直ずっと迷っていました。 この本は、そのモヤモヤに対して「大きな物語でざっくり理解する」というよりも、世界が何を軸に動いてきて、どこで歪みが生まれたのかを具体的に見せてくれます。とくに印象的だったのは、今の混乱を“新自由主義への反乱”として一本の線でつなぎなおす視点です。トランプ現象や米中対立、ヨーロッパの右派台頭まで、バラバラに見えていた出来事がスッと整理されました。さらに「市場は敵ではなく味方になり得る」という日本への示し方も、無理に希望を語るのではなく、相対的な位置づけとして淡々と語られていて、逆に地に足がつく感覚がありました。 読んでいて一番効いたのは、価値観や属性ではなく、個人の能力や判断が試される環境に変わりつつある、という指摘です。悲観に寄りがちな議論が多い中で、この本は過度に煽らず、でも現実からは逃げずに「何が変わりつつあるのか」を拾い上げてくれます。世界の変化が遠くの話に思えなくなり、自分の働き方や学び直しをどう置き直すかを考えるきっかけになりました。 こんな人に刺さると思います。世界のニュースに置いていかれている感覚があるけれど、表面的な意見ではなく、背景の“構造”を知りたい人。知識を増やすためというより、自分の判断軸を作りたい人に向いています。
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