
PLURALITY 対立を創造に変える、協働テクノロジーと民主主義の未来(サイボウズ式ブックス)
オードリー・タン, E・グレン・ワイル, 山形浩生, and ⿻ Community
この本について
最近、技術のニュースを見るたびに「便利になってるはずなのに、社会は逆にギスギスしてないか…」みたいな感覚を抱くことがあります。AIもブロックチェーンもすごいのに、民主主義は停滞していて、人とのつながりはどんどん細っていく。自分の生活レベルではそこまで実感がないのに、どこか不安だけは積もっていく感じです。 『PLURALITY』は、そのモヤモヤを大きな構造の中で説明してくれる本でした。たとえばAIの中央集権化やブロックチェーンによる孤立化が、なぜ民主主義を弱らせる方向に働いてしまうのか。SNSがつながりを与えたはずなのに、孤立感を深める結果になっているのはなぜか。自分では気づけなかった流れを、歴史や政治、技術の視点を混ぜながら拾い上げてくれます。 とはいえ、この本が言いたいのは「テクノロジーは悪だ」という単純な話ではありません。むしろ、日本の協働的な文化や、かつてのiモード的な発想が、これからの社会設計のヒントになり得るという前向きな視点があるところが救いでした。技術と社会のあいだにできてしまった断絶をどう埋めていくか、現実的な距離感で考えられるようになります。 社会や技術の変化に「なんとなく置いていかれている気がする…」という人には、特に刺さると思います。自分の日常と世界の大きな動きが、少しだけつながって見えてくる本でした。
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