
2050年のインド経済 -急成長する巨大市場の現在地と未来図 (NETRAVELER BOOKS)
小林義崇
この本について
最近、外国のニュースを見ても「結局どこが伸びるのか」「日本はどこにチャンスを見つければいいのか」とモヤモヤすることが多いんですよね。インドが伸びているらしい、とは聞くけれど、具体的に何が起きていて、どんなリスクや矛盾を抱えているのかまで踏み込んで説明してくれる本は意外と少ない。そんなときに読んでみて、現実の立体感がようやく掴めたのがこの一冊でした。 おもしろかったのは、急成長の裏側が「若さ」や「人口ボーナス」といった単語だけでは済まないところです。たとえば生体認証 ID「Aadhaar」が国民の生活基盤を大きく変えていたり、アーユルヴェーダを中心とした AYUSH 産業が輸出を伸ばしていたり、これまで表層的にしか見えていなかった領域が、ちゃんと数字と具体例で語られていく。都市化による渋滞や大気汚染、宗教的な緊張の高まりなど、成長と同じ速度で問題も積み上がっていく現実にも触れていて、「伸びている国」ではなく「矛盾を抱えながらも進む国」としてのインドが見えてきます。 読みながら、日本のことをどうしても考えさせられました。社会課題が見えにくい成熟国だからこそ動きづらい部分や、「行政の責任」という意識がビジネスの芽を潰す場面など、インドとの対比を通じて自分の働き方の癖まで見えてくる感覚があります。インド経済の入門書というより、「別の国の現実を借りて、自分の固定観念をほぐすための道具」に近いかもしれません。 海外の成長やリスクをただのニュースで消費したくない人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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