
怒らないこと2―役立つ初期仏教法話〈11〉 (サンガ新書)
アルボムッレ・スマナサーラ
サンガ / 2010-08
この本について
仕事や人間関係でイラッとしたとき、「なんで自分はこんなに反応してしまうんだろう」と落ち込むことがありますよね。頭では「怒っても意味ない」とわかっていても、体のほうが先に動いてしまう。私も同じで、つい状況をコントロールしようとして余計に苦しくなることがよくあります。 この本が刺さったのは、「怒りの正体」を現実的に説明してくれたところでした。たとえば、感覚そのものがつねに変化していて、それが苦につながるという話。希望と現実のズレが怒りになるという指摘も、日常の細かい苛立ちにそのまま当てはまります。無理にポジティブになろうとするより、「変わり続けるものにしがみつくから苦しくなるんだ」と理解するほうが、実際の行動が変わる感じがしました。 もうひとつ印象に残ったのは、「自分という固定した存在がいる」という前提を疑う視点です。ずっと同じ自分が続いていると思うから、思い通りにならないと怒りが湧く。これは抽象論に見えるけれど、実際には、人の言葉を必要以上に個人的に受け取らなくなったり、「あれもこれも改善しなきゃ」と焦らなくなったりと、日常の反応がじわっと変わる感覚がありました。 強く生きようとか、悟ろうとか、そういう大げさな話ではありません。むしろ、目の前で起きていることを必要以上に重く受け止めずにすむための「視界の調整」に近い読み味です。 「怒りの構造を、もう少し落ち着いて理解したい人」に静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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