
深夜特急5―トルコ・ギリシャ・地中海―(新潮文庫)
沢木 耕太郎
累計読者数5
平均ハイライト数 2.8件/人
star総合評価 46/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 56%
この本について
旅の本って、今の自分に直接役立つわけじゃないと思われがちですが、ふと読んでると「自分の中の何かが古びてるな」と気づく瞬間があります。最近、仕事でも人間関係でも、うまく立ち回ろうとしすぎて疲れてしまうことがあって、そんな時に『深夜特急5』を読み返すと、少し肩の力が抜けました。 この巻で描かれるのは、旅の終盤に差し掛かった主人公が、自信と鈍感さのあいだで揺れたり、交渉に慣れすぎて自分が擦れていく感覚に気づいたりする姿です。「旅には旅の生涯がある」という一文が象徴するように、自分の中で何かが育っては枯れ、また別の何かが芽生える。その過程を、そのままの温度で描いているからこそ、自分の変化を見つめ直すきっかけになるんだと思います。 とくに刺さったのは、「何かを失わないと前に進めない」という感覚を淡々と言葉にしているところ。無理に前向きにさせようとしないけれど、気づけば一歩進めてしまう優しさがあります。大きな答えは示されませんが、代わりに「今の自分のままで旅を続けていい」という許しのようなものが残る本です。 最近、頑張りすぎて自分の輪郭がぼやけてきた気がする人に刺さると思います。
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