
猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)
小川 洋子
文藝春秋 / 2011-07-10
累計読者数16
平均ハイライト数 15件/人
推定読了時間 約3時間49分
star総合評価 60/100
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この本について
仕事でも人間関係でも、「正しいと思うけど、なんだか自分の心がついてこない」ときってありませんか。うまくやれているはずなのに、どこかで泥水を踏んでしまったような感触が残る。効率や勝ち負けだけを追いかけるほど、そういう違和感は強くなる気がします。 『猫を抱いて象と泳ぐ』を読むと、そのモヤモヤに少し輪郭が出てきます。チェスの勝ち方を描いているようでいて、実は「どう生きるか」に近い話が静かに流れているんですよね。勝てる局面こそ丁寧に進むべきだとか、最善手と美しさは必ずしも同じじゃないとか、そういう視点に触れると、普段の判断に奥行きが出る感じがあります。自分が何を大事にして動いているのか、意外と見えていなかったものが浮かび上がってくるんです。 特に響くのは、チェスが鏡のように人間を映す、という言葉。自分の癖や欲の動きまで含めて、すべて手に出てしまう。だからこそ、勝つか負けるか以上に「どんな道筋を選ぶか」が問われる。日々の小さな決断にもそのまま重なるところがあって、読後にふっと背筋が整うような感覚が残ります。 静かだけど芯のある物語なので、派手な刺激はいらないけれど、自分の中の基準をそっと整えたい人に刺さると思います。
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出版社による紹介
「大きくなること、それは悲劇である」──この警句を胸に11歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指す。その名もリトル・アリョーヒン。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、自分の姿を見せずに指す独自のスタイルから、いつしか“盤下の詩人”と呼ばれ奇跡のように美しい棋譜を生み出す。架空の友人インディラとミイラ、海底チェス倶楽部、白い鳩を肩に載せた少女、老婆令嬢……少年の数奇な運命を切なく描く。小川洋子の到達点を示す傑作。
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