
日本人の自然観
寺田 寅彦
ゴマブックス株式会社 / 2016-10-28
この本について
日々、生き方とか働き方を考えるときに、「自分の感覚ってどこから来てるんだろう?」みたいなモヤモヤが出てくる瞬間があると思います。効率や合理性は大事なのに、自然の変化に左右される自分の気分も否定できない。西洋的な考え方を身につけたい気持ちと、日本人としてのしぶとい感覚のあいだに揺れるというか。僕もずっとその違和感をうまく扱えずにいました。 寺田寅彦の『日本人の自然観』は、そのモヤモヤの根っこを淡々と照らしてくれる本でした。たとえば、日本が「自然を克服する」のではなく「自然に含まれて生きる」感覚を持ってきたこと。四季や気候の細かい変化に合わせて暮らしてきたこと。こうした背景を知ると、自分の反応が「性格の癖」じゃなくて、もっと長いスパンの文脈の中にあると気づけます。無常観が体に染みついているからこそ、変化を完全には制御できない前提で考えてしまう。そういう“自分を形づくっている環境”が見えるだけで、少し心がほぐれる感じがありました。 そしてこの本は、日本固有の文化を持ち上げるわけでも、西洋批判をするわけでもありません。むしろ、日本の特異性をただ事実として認めつつ、それをどう現代に活かすかを冷静に考えていく視点があるところが信頼できました。「外の思想を学ぶ前に、自分の足元の土の性質を知っておく」という態度に近いかもしれません。 自分の価値観の由来を言葉にできずにモヤモヤしている人に、静かに効いてくる本です。
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多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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