
銀河鉄道の夜
宮沢賢治
三和書籍 / 20191001
この本について
人と一緒にいても、なぜか取り残されたように感じるときってありますよね。まわりは楽しそうなのに、自分だけどこか遠い場所にいるようなあの感じ。頭では「そんなことで落ち込まなくても」と思っても、気持ちはついてこないまま沈んでいく。僕自身、このモヤモヤをどう扱えばいいのかずっと迷ってきました。 『銀河鉄道の夜』を読み返すたびに思うのは、賢治の物語はこの「さびしさの正体」に丁寧に触れてくれるということです。ジョバンニの孤独って、決して大げさな悲劇ではなく、誰にも言えない日常の小さな痛みに近い。だからこそ、彼がカムパネルラを横目に「僕はほんとうにつらい」とこぼす場面に、妙に胸をつかまれるんですよね。そして物語が進むにつれて、孤独の出口は「誰かのために生きる」みたいな立派な答えではなく、自分が何を大切にしたいのかをそっと見つけ直すことなんだと気づかされます。 特に、つらい出来事さえも「ただしいみち」を進む一部かもしれない、という視点は、落ち込んだときに無理に気持ちを切り替えるよりもずっと現実的で、静かに効いてきます。「いまの自分の苦しさにも位置づけがあるのかもしれない」と思えるだけで、次の一歩の重さが少し変わるはずです。誰かの働きや幸せを見て「自分はどう関わればいいんだろう」と迷うジョバンニの姿も、そのまま自分の悩みに重なる人は多いと思います。 ひとりで歩いているように感じる夜が続く人に、とてもやさしく寄り添ってくれる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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